― BLUE ―
「だってシンは…わけわかんないまま急にマコから態度変えられてさ、このまま会わないつもりとか?あんた卒業まであとどれくらいあると思ってんの?」
「……だけど」
「あんたは…マコはそれでいいかもしれないけど……わざわざ渡り廊下使って、いままで来たこともない教室まで様子見に来てたシンがかわいそう!!」
そして千草は「もう最悪!!」と立ち上がり、バタバタと乱暴に音を立てながら出て行ってしまった。
その場に残された佳代とあたし。
「あのさ…。ひとまずマコがどうしてそういう気持ちになったのかを、きちんと杉本くんに伝えるべきじゃないかな」
あたしと千草のやり取りをずっと聞いていた佳代がそう言った。
「だけどっ、だけどさ? 連絡も何もなかったんだよ? あたしそんなに間違ってる?」
杉本から連絡のないことはいつものことだって、そんなのは出会ったときからわかっていることだった。
だけどあたしは、もっと会いたい。
もっと声が聞きたい。
もっとたくさん杉本から求められたい。
そう思ってきている。
杉本は変わらず気まぐれで会いに来るだけだ。
こんな状態が辛くなってしまったから出した決断なのに。それなのに。
「……」
佳代も黙り込んでしまう。
やっぱり、あたしがおかしいのかも。
「——ごめん佳代」
「わたしさ、まだマコとこんなふうに仲良くなかったころ話したことあるじゃん一年のとき。そのときマコは杉本くんのことが好きなんだと思っていたよ」
「あのときは、そんなの思ってなかった」
「だけどいまは違うんだよね?」
うん、ちがう。
だっていまはどんな顔をして会えばいいのかわからない。
だけどさ、