― BLUE ―
だけどさ。
杉本から"うれしい"と言われただけで、ほかになにも言われていない。
それに、ずっと忘れられない人がいるというのも有耶無耶になったままだ。
「……」
あれ?
なんかちょっと心配になってきた。
あたしたち、本当に付き合っているの?
ていうか杉本は、あたしの彼氏なの?
「マコ先輩〜〜〜〜♪」
相変わらずクネクネと近づいてくる奈美。
杉本にだけじゃなく、あたしにもする上目遣いに意味があるのかわからない。
「やっぱりアレってぇ、マコ先輩のことだったんですねぇ〜」
「なにアレって」
「あ、でも、でもねぇ? これシンちゃんに口止めされてるんだったァ〜〜」
イラッ
やっぱりなんかムカつく。