― BLUE ―

「おまえさー。また補習とか受けたいわけ?」

「ううん。その気はないけど?」

「ふ〜〜〜ん」


頬杖を付いた杉本がくいっと顎を上げ、冷ややかな視線をこちらに向けた。


「……ねえ。そんなにひどいの?」

「どんまい」


ああ…。
テストなんて嫌いだ。

だいたいさ?
こんな公式とか大人になっても使うわけ? 

それに源氏とか平家とか。
ちょっとみんな名前が似すぎ。

引っ掛け問題だなんて作ってる人の気が知れないし絶対心が荒んでる。

そんなことをブツブツ言いながらシャーペンをくるくる弄んでいると、杉本のため息が聞こえた。


「じゃあさーー」


こんなあたしの様子を見かねたのか、杉本が素敵な計画を話しはじめてくれる。

杉本のお父さんは市議会議員のお偉いさん。

毎年夏に振興会とやらで大勢集まり近くの避暑地に一泊してバーベキューをするそうだ。今年は杉本のお兄さんと彼女さんも一緒に参加するらしく、杉本はあたしも一緒にどうか…とのことだ。

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