― BLUE ―
そして楽しみしていた日をむかえる。
支度を終え携帯で時間の確認。まだ少し早い。
毎年バスを貸しきって行ってるらしいけれど、今年はお兄さんが車を出してくれるそう。
だからあたしたちは別行動で行くことになっていた。
マンションの下まで、お兄さんが運転する車で迎えに来てくれるのだ。
「おちつかない…」
なんかやっぱ緊張する。
鏡の前に立って変なところがないか身なりのチェックをしたり、あぶら取り紙でカサカサになりそうなほど顔を押さえたり。
すると携帯が鳴った。
杉本だ。
「もしもし?」
『着いたよ』
「んじゃ、いまから出るね」
マンションの下まで降りると、いつかのように杉本が入り口の花壇のところで待っているのが見える。
「おはよー」
「おう」
すこし襟ぐりの広いTシャツの上にシャツを羽織っている杉本だ。私服はなんだかまだくすぐったい。
「マコ先パァ〜〜ィ」
げっ。
車の窓からニコニコ手を振ってる奈美が見えた。
運転席には、お兄さん。そして助手席にその彼女さんがいるのも見えたので、引きつりそうになりながらも笑顔で軽く会釈をする。