― BLUE ―
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「これで……、よしっと」
もうすぐ夏休み。
じつは駅前のレンタル屋でバイトが決まっていた。
映画好きなあたしとしては足を運ぶことも多い場所なので好都合なバイト。
だけど楽しみな事の前には大概気の乗らない事が多いと相場が決まっているらしい。期末試験は明日からである。
「あーーー。早くテスト終わって欲しい〜〜」
「だねー」
「何度も読んだ漫画とかさ、また読んじゃうんだよね。机の前に座る時間だけが長くなるというかさ………」
「あーわかるー」
「美耶は余裕でしょ?」
あたしなどとは違い美耶の成績は学年トップクラス。高校に入ってからはじめての中間テストで名前が張り出されるレベル。美と秀どちらともに優れているのだ。神様は決して平等ではない。
「うーーん、今回はどうかな…。今日はプリントだけやってすぐ寝るし」
「へ? プリントって何?」
追試にならない程度が目標のあたし。こんなことで無事に夏休みをむかえることができるのだろうか………。
少し、いやかなり心配になってきた。
プリントを教室に置きっぱなしだったので、美耶に別れを告げてから走って教室へ戻る。
明日からテストという事もあって部活はない。校舎はひっそりと静まりかえっていた。
バタバタと足音を響かせながら教室の前までたどり着き、ドアへ手をかけた時———。人の気配に思わず手を止めた。
杉本だ。
それともう一人。
机に軽く腰をかけているのが杉本で、その横には女子生徒。2人とも無言……。
ただならぬ雰囲気なうであることは違いない。
女の子の方は俯きがちで、泣いてる……ようにも見えた。