― BLUE ―
杉本に慰められている奈美を横目にし、すこしイラっとは来たものの。こんな感じでなんだかんだと車の中はとても楽しい時間を過ごすことができた。
トンネルをいくつも抜け、ついた場所は海!
「え!? すごい!ここなの?!」
「そうだけど?」
目の前に砂浜が広がっている。
だけど毎年同じところに来ているのかもしれない杉本は、どこか冷めた感じでそう言う。
「海じゃん!」
「まあ、川じゃないことは確かだな」
なによ、もう。
海ってわかってれば水着も持ってきたのにな。
まだバスは到着していないようなので、あたしたちはそのまま砂浜で時間をつぶすことに。
「それよりさ、どうして今日そんな服着てんの?」
「え? なにが??」
「まぁ…、別にいいけど」
杉本はそう言ってから、ぷいっとそっぽを向いた。
「おかしい? ヘン?」
「そうじゃなくて」
「じゃあ、そんなこと言わないでよ」
地味にショック。
この日のために買ったキャミソールなのに。
「なんか露出多すぎない?」
「そうかな? これぐらい普通じゃない? 夏だし」
「なんか…、ちょっと…」
そう言って不機嫌そうに顔をしかめた杉本は、また顔を背けてしまった。