― BLUE ―
「あ、あのさ? に、似合わないとか…?」
「そういうんじゃなくて」
「じゃあなに」
「あ、これ…、上に羽織っとけば?」
そして自分が着ていたシャツを手渡してくる。
もしかして見るに耐えないぐらい腕が太すぎるとか。
「いらない!」
隠すと余計に太く見えるし!
だけど杉本はぐいぐい私の手に持たせてくる。
「いらないって」
「おいーー…。いいからさ、黙ってこれ着とけって」
なんか変な杉本。
仕方なく手渡されたシャツを羽織ることにした。
「う〜〜〜ん甘酸っぱい。なんか青春だねぇ」
あたしたちのやり取りを少し離れたところで見ていたお兄さんがニヤニヤと笑っている。杉本は「うるさい」といって耳まで赤くなった。
「目のやり場に困るんだよ」
「……だから着とけっていったの?」
「いわせんなよ」
「えええ?」
うわ。
杉本の顔が真っ赤になった。
「ああぁ〜…。もー恥ずかしい」
なんかどうしよう。
林檎のように真っ赤だよ。
あたしまで恥ずかしくなってきた。
だけどちょっと意外というか、新しい杉本を見れた気分。たのしい…っ!