― BLUE ―

「じゃマコちゃん。早速だけど、もう出れる?」

「あ、ハイ!」


晩御飯はバーベキュー。
あたしたちは手わけをして準備をすることになっていた。

だけどあたしと恵さんは今回が初めての参加。

手際もわからず雑談を交えながら準備をしていたけど、奈美は見かけによらずテキパキと仕事をこなしながら的確に指示を出してくれるので驚いた。

思わず感心して、その様子を眺めてしまう。


「奈美ちゃん」


そんなとき聞き覚えのない声がした。


「あー、おじさん。どーもこんにちはァ」


あ。
もしかして。


「いつも悪いね。ヒデトとマコトはもう着いてるのか?」

「うん、あのねー。いまヒデちゃんとシンちゃんは火を熾しに行ってるよ〜」


あれ?
なんかいま違和感。

聞き間違いかな。

ふたりはまだなにやら話している。

あれはきっと杉本のお父さん。
気取らずラフな格好をしていて低い声とは違いとても優しい顔つき。なんとなく少し杉本に似ている気がする。

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