― BLUE ―
「……」
なんかよく見えない。
もう少しだけドアを開け、角度を変えて覗きこんでみる。
あ。
3年の由香先輩?
「うそ……」
由香先輩は1年のあたしが知ってるぐらいの有名な人で、大人びた…、とてもきれいな人だ。
も、もももももしかして杉本の彼女って!!!? ふたたび教室の中をのぞきこんでみる。
やばいよガチだよ。由香先輩が杉本の彼女だ。
「…めんね」
「由香が謝ることじゃないだろ」
そう言って杉本は、由香先輩の頭を数回ポンポンと叩いた。
「泣くなよ」
「———・・ッ…シン……ごめんね。——————いままで、ありがとう」
由香先輩はそのまま振り向くことなく足早に教室を後にした。あたしがいるほうに来なくてよかった。
そしてポツンと教室に残された杉本は、頭をクシャっとしたあと窓の外を眺めている。眩しそうに———・・・・・?
違う。寂しそうに。