― BLUE ―
3.アルバイト
◇◇◇◇◇◇
夏休みの朝は、両親が共働きの為いつもと同じようなはじまりだった。つまり早起き。
制服に袖を通さず私服へ着替えるだけの違いだ。
いつもだったら家を出る時間を過ぎるころ、見慣れないTV番組が画面に映っている様子をまったり眺めていると、ようやく夏休みを実感することができた。
「今日からバイト?」
「うん」
「レンタル屋のバイトだと、なにか特典があるのかしらね?」
「さ〜〜?」
「見たいドラマがあるから期待しちゃうわ」
きっと韓国ドラマだ。
「何時に出るの?」
「10時過ぎかな」
「じゃ鍵よろしくね」
初日の今日は11時からだ。
携帯で時間を確認しながら、少しずつ出かける準備をはじめる。