― BLUE ―
「てかなに? マコとシン一緒なの?」
「たまたまさっき会っただけ」
あたしが応えるより先に口を開いた杉本。
「そうなの?? じゃあ、これからみんなでマック行こうよ」
「俺はいい」
そして"じゃあ"と小さく手を上げ、そのまま店を出て行ってしまった杉本。思わずぽかんと口を開けてしまう。
結局それから美耶と千草の三人でマックへ寄ることに。
「てかさー。シンてマコの苗字覚えてんのね。あたしら同中なのに"誰だっけ?"とかいわれるし」
口を開いたのは千草だ。
少し肩を落としてストローを口に挟んだ。
「この子さ、去年チョコも渡してるんだよシンに」
「それいわないでよムカつく」
「そういやマコさ、前シンに傘の雨水掛けられてキレてなかった? いつのまにそんな仲になったの?」
「んー、なんかたまたま? よくわからない」
「なにそれ」
「好きなの?」
千草が食い気味に身を乗り出してくる。
「好きじゃないよ」
さらっと出てきた。
好きかどうかで問われると、よくわからなくなってくる。