― BLUE ―

『沈黙長いな』

「あ、ごめん」

『なに?』


今日美耶や千草に偶然会ったけれど、いつものごとく杉本は普通。——というか、そのまま去って行ったし。

あたしと一緒だったのがバレると嫌だったとか? でもそんな感じでもなかったような気もする。ううむ。

考えてもわからない。

ここは単刀直入にいくかな?


「もしかして杉本さ、あたしのこと好きなの?」

『は…』

「ちがうよね」


期待通りの反応だ。


『なんでそう思ったのか、逆に聞きたい』

「だって会いに来るから」

『たまたまですけど』

「だよね」

『てかさ、俺まだ傷心中の身だから』

「あーわかる」

『わかられたくない、というか触れられたくないとこなんだけど?』

「なんかわかる」

『——あのさ、なんなわけ? 用件は?』

「ですよね。じつは、あたし、美耶たちに杉本が由香先輩と別れたこといってしまってさ」

『で?』

「ほんとごめんっっ」

『それが用件?』

「そうですが」

『なんだ。もっとすごいことやらかしたのかと思った』

「たとえば?」

『俺が思いつかないようなこと』

「えーなんだろ?」

『俺に聞かれても』

「たしかに」

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