― BLUE ―

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そして、なんだかあたしの心はモヤモヤ続き。

電話はなんてことない会話で終わり、そのまま夏休みは続く。

バイトを終え、今日もいつもの場所に杉本がいないことを確認してから歩きはじめた。

今日は予定があるといっていた近所の夏祭りの日なのだから、いるはずはないと思っていたけれど。なんとなく探してしまった。

それにしても会わない日が続く。あの電話から、もう一週間杉本を見かけていない。

あたしたちの関係を考え出すと、思考が止まるかのように固まってしまう気がする。


「ごめん待った?」

「あたしらもいまきたとこー」


結局女三人で夏祭り。
美耶の彼氏は受験生だということもあり夏期講習とやらで遅くなるそうで、このメンバーで行くことに。


「―――あ、シンだ」


ん?


「女連れてるじゃん」


そのまま三人でダラダラ歩いていると、少し先にいる杉本の姿が目に飛び込んできた。

美耶の言葉に杉本の横へ目をやる。


「早く行こうよシンちゃん」


明らかに敵意を持った眼で杉本の腕を取り、あたしたちを見つめる女の子がいた。

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