― BLUE ―

「やほーシン」


美耶の挨拶に"おう"応えた杉本とちらりと目が合った。思わず逸らしてしまう。

すると杉本の隣にいる子と目が合う。

読モでもやっているんじゃないかと思えるほど髪の毛やメイクも完璧だ。由香先輩とは正反対のタイプというか、なんていうか可愛らしさが全身から溢れ出ている感じ?

あ、そうか。あたしの前に杉本が現れなくなったのは、単に行くところができたからなのだ。

もしかしてあたしは、杉本の隣が自分の場所なんだとでも思い込んでいたのだろうか。


「ねえねえ。あれってシンの新しい彼女かな?」

「なんか感じ悪かったよね」

「見覚えあるような、ないような。同中にいなかった?」

「そうだっけ?」


美耶と千草が振り返りながら口を開く。

あたしは何を話したのか全くおぼえていない。

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