― BLUE ―
5.もっとおかしなふたり
◇◇◇◇◇◇
「最近見ないけど。あの彼氏と喧嘩でもした?」
「あー彼氏じゃないです」
まただ。
「でもいい感じなんでしょ?」
「ないですから」
「またまた〜」
"彼氏じゃない"って何度も何度も言っているのに。
やっぱりあたしたちは、理解してもらうのが難しい関係なのかな。
だけど友達と言う定義からも、なんだかかけ離れているような気がする。だから、この話は正直うんざりだ。
「マコちゃん、ちょっといい?」
そして帰り際、中嶋くんに呼びとめられる。
「今日、時間ある?」
「……うん」
よかったと笑う中嶋くんと、そのまま一緒に店を出た。
あれから中嶋くんとは、ずっと変わりなく普段通りに接している。だからあたしも以前のようにマシンガントークをしなくても、自然に会話を楽しめた。
「よく来てた人。なんか最近見ないよね」
またか。
もういいって。