― BLUE ―
「——あ!やべ!なんか俺ばっかり喋ってるじゃん」
だけど中嶋くんの話って面白い。
聞いてるだけでも全然苦にはならなくて、それよりむしろ笑いすぎでお腹がいたくなるぐらい。
「なんか失敗したな〜。今日はマコちゃんのことをたくさん聞き出すつもりだったのにぃ」
「え、あたし? あたしには、そんな面白エピソードないから〜」
「…うーん、そうだなぁ。今日わかったことと言えば〜〜…えっと、好きな食べ物がポップコーンとオレンジジュースなことぐらいかな?」
「それ映画館限定だし」
なんだかあっという間に時間は過ぎた。
そして今日もあの日のように、中嶋くんはマンションの下まで送ってくれるという。
「———あ!今日はひとりで大丈夫だから!」
即座に断った。
あの花火の時に中嶋くんから受けた告白の返事を別に避けているわけではないと思うんだけれど。映画行ったりとか、連絡も毎日のようにしてるし。
なのに思わずキッパリと言い切ってしまった。
「んーー…わかった。じゃあ、また遊ぼうね〜」
中嶋くんのその言葉に、どこか少しホッとしているあたしがやっぱりいる。
「うん、またね」
そして家へ着くと、そのタイミングを見計らっていたかのように中嶋くんからLINEが入る。
《もう着いた?明日から学校だな!お互い頑張ろうね〜!それとまた遊びに行こう!!!!》
だけどあたしは確認した後、すぐに返信をしなかった。
さきにお風呂に入って、それから送るつもりだった。
だけどお風呂へ入ったら、なんだか瞼が重くなってきて、もう限界に眠くなってしまった。
返信は明日。
既読ついちゃってるけど。
明日でいいよね。
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———…
長かった夏休みも終わる。