― BLUE ―

「…私たち———中学が中嶋と一緒で…この子は、ずっと中嶋と付き合ってたんだけど…」


真ん中で、他の2人より少し小さくなっている子を指す。


「夏休みに入ってから、ほとんど会わなくなったらしくて…」


あたしが真ん中の子に視線を移し、そのままぼんやりと眺めていると、その子は更に身を小さくさせる。


「中嶋に聞いたら"好きな人ができた"って言われたとかで」


そこまで喋ったあと、あたしの反応を見るかのように再び黙る。


「……ええっと」


いまの言葉に返事を求められてるとか?


「それで?」


仕方なく話の続きを促せてみる。


「…私、このあいだ偶然、中嶋と辻さんが歩いてるのを見かけちゃって——」

「だから?」


イラつく。ハッキリ言えばいいのに。


「だけど、辻さんって…、杉本くんとも仲良しじゃない?」

「……」


突然杉本の名前が出てきて不覚にも驚いてしまった。

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