― BLUE ―

「あ……」


そうだ鍵。
杉本がいなければ鍵がかかって出られない屋上。

それに今日は始業式。さっき友だちとわいわい話しもしていた。

いないかも。だけど願いをこめてノブを回す。


「——……あっ」


開いてる!

ゆっくり扉を押し開けた。
薄暗い場所から一気に白く眩しい光に包まれる。それと共に新鮮な風が待ってましたとばかりに身体に纏わりついてきた。

あたしはこの瞬間が1番スキ。

ようやく目がなれる頃いつもの場所に杉本がいるのが見えた。

とくに何も声をかけず隣へペタンと座る。杉本もあたしがここにくるのをわかっていたかのように普通だ。


「お嬢さん。パンツ見えちゃうよ」


体育座りをしているあたしは、きっと前からだと丸見え状態。


「誰もいないから、平気」


杉本を見ると、片眉をあげている。


「そういう問題じゃないだろ」

「わかったよ」


仕方なく足を伸ばし、スカートが風で巻きあがらないように足の後ろに巻き込んだ。

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