― BLUE ―
7.ふたりの関係

◇◇◇◇◇◇



季節は秋も深まり
すぐしたら冬がやってくる。
もうそんな季節。

杉本の余韻を残した夏が過ぎ去り、秋を向かえるころからあたしは少し変ったように思う。変ったと言っても言葉では説明のできないような微々たるもの。夏休み明けの美耶のように、おどくほどの変化ではない。

いまも相変わらず杉本とは屋上で会っている。それは約束してるわけではないから無駄足に終わることもあった。

だけどあたしたちは以前よりよく話す。
高校に来てから誰にもいってなかった、咲とあたしのあいだで起こったことや、それまでの関係を知っている杉本。いろいろ話しやすいのもあった。

同じクラスで顔を合わせても挨拶すら交わさなかったあたしたちは、同じ中学出身だということをみんな知らない。知っていたとしても毎日のように一緒に過ごしていた友だちだったとは思わないだろう。

そして最近、そんな咲とも少しずつ話すようになっていた。あたしの変化を語るとするならば、それにつきる。この経緯は杉本が少し絡んでいた。


遼汰と別れてから咲との会話を避け続けていたし、顔も見たくないと思った時期も。

だけど咲はいい訳をするでもなく、媚びるわけでもなく逆切れするわけでもなく。ずっと大人だった。


これは中学のときの友達に聞いた話からはじまる。

そこには、あたしの知らなかった咲がいた。

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