― BLUE ―

『今日はありがとな』

「あー、うん。てか、奈美…ちゃんは?」

『もう別れてきた』


ふーん。


「奈美ちゃんってさ、なんか杉本が好きみたいだね〜〜」

『お兄ちゃんみたいなもんだろ』


本気?
あれはどう見ても誰が見ても好きでしょ。幼稚園の子じゃないんだから。


『宿題終わった?』

「あー…。杉本は終わったの?」

『数プリ多すぎだよな』


雪がだんだんと激しさを増して降ってくるのがわかる。

杉本もどこかで見ているのかな。
空を見上げれば、気持ち悪いぐらい雪が舞う。雪の白さで空の黒さが埋まっているようにも見えた。


『朝には積もりそうだよな』


話の流れをガン無視した、あたしとシンクロしている言葉が返ってきたので驚いてしまった。


「まだ外にいるの?」

『……』

「もしもし?」


おかしいな。
返事が返ってこない。


「杉本?」

『…………うしろ』


ボソッと杉本が呟いたので、なんだか聞き取りにくい。
< 98 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop