― BLUE ―
『今日はありがとな』
「あー、うん。てか、奈美…ちゃんは?」
『もう別れてきた』
ふーん。
「奈美ちゃんってさ、なんか杉本が好きみたいだね〜〜」
『お兄ちゃんみたいなもんだろ』
本気?
あれはどう見ても誰が見ても好きでしょ。幼稚園の子じゃないんだから。
『宿題終わった?』
「あー…。杉本は終わったの?」
『数プリ多すぎだよな』
雪がだんだんと激しさを増して降ってくるのがわかる。
杉本もどこかで見ているのかな。
空を見上げれば、気持ち悪いぐらい雪が舞う。雪の白さで空の黒さが埋まっているようにも見えた。
『朝には積もりそうだよな』
話の流れをガン無視した、あたしとシンクロしている言葉が返ってきたので驚いてしまった。
「まだ外にいるの?」
『……』
「もしもし?」
おかしいな。
返事が返ってこない。
「杉本?」
『…………うしろ』
ボソッと杉本が呟いたので、なんだか聞き取りにくい。