レモン味の恋


「泣き止んでよかった。泣いてる顔より笑ってる顔の方がいいよ。」



ど直球なことを言われてまた思考が停止する。



そんな私を置いて、男の人はドアの方に向かってトコトコ歩いてく。



「それ食べて元気だしてね。」



じゃ、と言って軽く手を上げると


ドアの向こうに去っていった。


一瞬の出来事に、訳の分からない気持ちと



飴玉だけが残った。
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