レモン味の恋


「ほんとバカだなー。」


「誰がバカだって?」


「えっ?」


急に聞こえてきた声に目を開けると


目の前にはこないだの屋上の男の人がいた。



「びっくりしたぁ...」


神出鬼没すぎ。ほんとにびっくりした。



「やっほー、よく会うね。」


「ど、どうも。」


男の人は私の隣に寝っ転がる。


こないだは泣いてたし、


それどころじゃなかったから気づかなかったけど、


この人、よく見るとすごい顔が整ってるなぁ。


目がキリッとしてて、肌が白くて、鼻高くて。


ちょっとハーフっぽい。



「あんまジロジロ見ないで。」



「あっ、ごめんなさい。」



ついつい見てた。恥ずかしすぎ。
< 32 / 70 >

この作品をシェア

pagetop