レモン味の恋
「りこ。」
「なに?」
「こっち向いて?」
顔を上げると大好きな優しい蓮の顔。
「りこが俺のこと思って沙羅に注意してくれたのはすげー嬉しい。
でも、俺は好きであいつと付き合ってるんだから。
俺は大丈夫だし、幸せだから、りこは気にしないで。」
ね?と優しく問いかけてくる蓮。
もし、ここで蓮がキレてくれたら、
大切な彼女を泣かせるりこなんて嫌いだって言ってくれたら、
どんなに楽なことか。
下手に優しくされるのが1番くる。
蓮が優しいのは誰よりも私が知ってるけど、それでも。
「なに?話ってそれだけ?私もう行くね。」
これ以上一緒にいたら、優しくされたら、
「私だって蓮を好き」
って言ってしまいそうで逃げた。
あーあ、嫌われたかなぁ。
好きな人に嫌われるのって、辛い。