クールで強引な王子様
「おい。
聖、おまえちょっと顔貸せ」
背後から声が聞こえ振り向くと、怒った顔をした矢川君がいた。
「めっずらしぃ!悠真から声かけてくれるなんてさぁ!
そんなに怒らないの!別に変なことしてないからさぁ!」
「はぁ!?
べ、別に…そんなんじゃねぇし。
と、とりあえず行くぞっ!
ほらっ!」
聖君の首根っこを引っ張りながら、廊下を歩いて行ってしまった。
一体何だったんだろう…?
「そういえば、智恵、聖君と知り合いだったんだね。」
「ん?うん。
まぁ、私の彼氏いるじゃん?
彼の弟が聖なんだよね…」
「………え!?
そうなの!?
というよりお兄さんいたんだ!?」
「天驚きすぎ。
家に遊びに行ったりしてるから普通に話すだけだよ。」
聖君のお兄さんが智恵の彼氏さん…?
すごい偶然だね。
すごい。と一人で感心しながら体育館へ移動する時間まで智恵とくだらない会話をしていた。