クールで強引な王子様
「おっ!天来たよ!」
智恵の声に顔を上げると聖君と矢川君の姿があった。
「えっ!?
なんで…?」
「別に来たくて来たわけじゃねぇし。
聖に無理やり連れてこられた」
不機嫌そうに顔を背ける矢川君。
「おい、悠真。
こういう時ぐらい素直になれよ。」
「はぁ!?
べ、べつに、城崎がケーキ食いに来るって聞いて来たわけじゃねぇし!
ふざけんなよ!」
聖君の方をギロリと睨みながら矢川君は頬を膨らませた。
「聖…あんたの言ってたこと分かったわ。
確かにこれは…大変だね」
「だろ?智恵。
もう、俺凄く頑張ってんだよ?」
目の前での出来事に頭が混乱している。
矢川君は怒っていて。
聖君と智恵は呆れている…?
「と、とりあえず!
矢川君!せっかくだからケーキ食べよ!
ほら、智恵と聖君も!」
沈黙が続きそれに耐えきれなくなり、ケーキ屋さんの中へ入った。