きたない心をキミにあげる。
「え……ま、まぁ」
「ね、圭太。今度、これでポッキーゲームしよっか」
大きな箱で口元を隠し、上目で俺を見つめてくる。
まぶたが閉じられ、マスカラ(って言うんだっけ?)のついた長いまつげを見せる。
一度大きく目を開けたのち、まつ毛を揺らしながら、2回まばたきをされた。
うっ、可愛すぎる。
バン、バン、と2回、心を撃ち抜かれたかのよう。
って……それ普通のより長くて太いやつでしょ。
そんなことしたら絶対むせるって!
と思いつつも、ドキドキしすぎてやばくなっている俺。
うわ。落ち着け。落ち着けー。
「ちょ、何言ってる……」
「あはは。テンパりすぎ! 超赤くなってるし。まじウケるー」
はぁ。『ウケるー』に『まじ』が付きましたか。
本当むかつく。でも嫌じゃない。可愛い。でもむかつく。
「そんなにらまないでよ。ごめんってー」
「集中したから……足。ちょっと痛い」
「え。大丈夫?」
驚いて目を見開いた愛美の両肩に手を置く。
彼女は俺がもたれやすいように、少しかがんでくれた。
俺はそのせまい肩に思いっきり体重をかけてやった。
「重い重い! これわざとでしょ!?」
少し頬を赤らめて怒る愛美が、可愛くて、もっと触れていたかった。