きたない心をキミにあげる。
崩壊(B)
☆
「一時はどうなることかと思ったが、よく頑張ったな」
先生からテスト結果表を受け取り、目を通す。
やった、赤点回避できた!
「先生! これで私も2年生になれますか?」
勉強は苦手だし嫌いだ。
だけど、進級できなければ、学校辞めろとか、近くの高校に入り直せなどと親に言われそうだ。
私はテンション高く先生に詰め寄った。
「そんな喜ぶな。ギリギリだったんだからな。まあ、お前は今年色々あったから大変だったろうが……」
「先生大好きー! ありがとう!」
「こら、敬語!」と怒る先生を受け流し、私は職員室を飛び出した。
ずっと危ないと言われ続けていたけど、無事、2年生への進級が決まった。
必死にテスト範囲を詰め込んでくれた圭太のおかげ、かな。
教え方はお兄ちゃんの方が上手かったけど。