きたない心をキミにあげる。
部屋に人の気配を感じ、俺は目を覚ました。
全身に嫌な汗をかいていた。
「圭太、朝ごはんできたよ」
「……わっ!? いてっ!」
反射的に体をびくりと動かしてしまい、右足がじーんと痛む。
そうだった。
愛美が家に泊まっていたんだった。
肩にあてられた彼女の温もりを思い出し、ドキッと胸が震えた。
スマホを見るとまだ6時。
「ちょ、まだ早いじゃん!」
「圭太のお母さんが私の時間帯に合わせてくれて」
愛美は1時間以上かけて高校に通っている。
彼女が遅刻しないように、早めに朝食が準備されたようだ。
愛美の父は朝早く仕事に行くらしいし、いったん家に帰ってから高校へ行くのかな。
「ほらー圭太ぁ。起きて!」
「うわぁ、来るな来るな! すぐ行くから出てって!」
それにしても懐かしい夢、見ちゃったなぁ。
まあ、夢だしきっとすぐ忘れるか。