君のクエスチョン
勉強が苦手な彼が、小テストで80点を取った。


それも、わたしとの約束のために。


嬉しいはずなのに、あの“クエスチョン”を思い出すとモヤモヤする。


どういう意図を持ち、わたしに訊いてきた?


気になるから?


どうして気になるの?



『だって、表情がそうだもん。俺、わかるよ?』



ねぇ、どういう意味?


わたしはいつだって、唯の前では恋心を隠して普通の“振り”をしてきた。


今日だって。


何度も君の笑顔にキュンとして、仕草に、言葉に、どうしようもなく心臓が高鳴った。


だけど、わたしはそれを決して表には出さなかった。


気づかれたくなかったから。


唯に恋していることを。
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