君のクエスチョン
ふたりの間に、沈黙が訪れる。


その沈黙を破ったのは……。



「教えてあげる」



わたしだ。


彼を横目で見ると、目を見開いてわたしを見ていた。


……唯が訊いてきたんじゃん。


前にも同じことを思った気がする。



「だけど、ただ教えるだけじゃつまんないから……」



そこで一度切り、今度は正面から彼を見た。


ふたり向き合う形となり、わたしの言葉の続きを待つ彼に、ここ最近いちばんの笑顔を向けた。


……彼の頬が赤く染まっている気がするのは、きっと夕焼けのせい。



「わたしからも、“クエスチョン”」


「どんな……?」
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