君のクエスチョン
「あ、わたしの家……。ここだから。じゃあね」



もう暗くなっていて良かった。


絶対、わたしの顔赤い。



「そういえば、一緒に帰るのはじめてだな。……また明日」



そうだ。


いつも、登校中に途中で会うことはあるけど一緒に下校するのは初めて。


唯の家はわたしより遠いんだね。


薄い暗闇に消えていく後ろ姿を見送り、家に入った。


今日の唯、おかしかった。


まるで、好きな女の子に言うような言葉をわたしに言った。


無意識か、わざとか。


……わざと、だよね。


きっと、わたしの反応を見て見極めようとしたんだ。


その罠にまんまと陥ったわたし。


わたしが男子と仲良くないという時点で、唯が恋愛対象内であるとこは彼も予想はできるはず。


……気づかれちゃったかな。


赤い顔、見られたかな。


自分で決めたことだけど、やっぱり恥ずかしいよ。
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