君のクエスチョン
席替えをした時からの数日間。


唯と登校中に合流したり、クラス内で話す機会は何度もあった。


だけどそれは当たり障りのないもので。


変わったことといえば、話題の中にクラスの男子の名前が出てくるようになったこと。


彼なりに探ろうとしているみたい。


残念ながら、わたしは“唯”以外の名前にときめいたりはしない。


淡々と相槌をうつだけのわたしに、唯は頭を悩ませているようだった。


わたしは唯の好きな人が気になる。まず、いるのかどうかもわからないけれど。


それは、唯のことが好きだからで。


じゃあ唯は? どうしてわたしの好きな人がそんなに気になるの?


答えの見えない疑問を抱いては悩んで、気にしないようにして。


何度繰り返したかわからない。


そして、何度自惚れたことを考えたかわからない。


……期待すればするほど、違うとわかった時の落ち込みようが酷くなる。
< 25 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop