君のクエスチョン
もし、唯がわたしと同じ考えを持っているのなら、普通は訊いてこないよね?


つまり、わたしのことは好きじゃないということ。


自分に言い聞かせる。



「らーんー」



放課後、いつものような能天気な声が頭上から聞こえた。



「ん?」



教科書などを鞄にしまっていた手を止め、彼を見上げる。



「図書室で勉強しよー。テスト近いしさ」



……もうそんな時期か。



「いいよ。教えたりはできないけどね?」
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