君のクエスチョン
2.
授業が終わり、手渡された紙を見て、わたしはきょとんとしている。
意味がわからないというように唯を見ると、その瞳は不安げに揺れていた。
ひとに訊いといて、その反応はなんなんだ。
ちょっと、かわいいよ……。
じゃなくて。
「え、えと。なんで……?」
どうしていきなりこんなこと……。
「だって、いるんでしょ?」
彼がシンプルなメモ帳に書いて渡してきた“クエスチョン”。
『クエスチョン1
蘭の好きな人は?』
だってわたし、唯と恋愛の話をしたことがない。
もちろん、わたしに好きな人がいることは彼に伝えていないはずだ。
それどころか、女友達にも相談していないのだ。
まぁ、親友には気づかれているかもしれないけど。
「い、いないよ」
まさか、本人に言えるわけないでしょう?
内心焦っているけど、平然を装うことは得意だ。
知らず知らずのうちに、唯によって鍛えられたから。
意味がわからないというように唯を見ると、その瞳は不安げに揺れていた。
ひとに訊いといて、その反応はなんなんだ。
ちょっと、かわいいよ……。
じゃなくて。
「え、えと。なんで……?」
どうしていきなりこんなこと……。
「だって、いるんでしょ?」
彼がシンプルなメモ帳に書いて渡してきた“クエスチョン”。
『クエスチョン1
蘭の好きな人は?』
だってわたし、唯と恋愛の話をしたことがない。
もちろん、わたしに好きな人がいることは彼に伝えていないはずだ。
それどころか、女友達にも相談していないのだ。
まぁ、親友には気づかれているかもしれないけど。
「い、いないよ」
まさか、本人に言えるわけないでしょう?
内心焦っているけど、平然を装うことは得意だ。
知らず知らずのうちに、唯によって鍛えられたから。