吾輩はネコである
「……あれっ?」
いつも通り、T路地の横断歩道を渡って、角の雑貨屋を横切る。
制服のスカートは風になびいて、パンツが見えそうだ。下に体操着の半ズボンを穿いてるから、まぁそんなのは気にならない。
自転車を止めて、片足を地面につける。
「えーっと……」
右手に見えるのは、団地。建物の横に4って書いてあるから、たぶん4号棟とかそんな感じ。
左側には、大きめの道路。バスとか走ってる。
先の方には、学校が見える。あれは、中学校かな、どこ中だろう。
「おかしい……おかしいおかしい、おかしい!」
思わず声が大きくなって、周りを歩いてた人がこっちを振り返る。大体は皆、私と同じ制服を着ている人だ。
あの女の子、なんか見たことある。知ってる人な気がする、気がするのに、誰なのか分からない。同じ制服だから、同じ学校の人だ。
でも、私、どこの学校に通ってたんだっけ?