カルマノオト
所詮ここは大学の音楽ホール。


舞台はさほど高いものではない。




ステージの端に手を掛けてひょいと身体を浮かした彼。


そのままステージの上に立ち、彼はスタンドマイクの横に置かれたギターを肩に掛けた。




「お待たせっ!!」




インストゥルメンタルだった曲と彼の声が重なる。




さっきまでは、ベースとドラムがビートを刻み、サックスの音だけでメロディーが成り立っていたはず。


しかしその曲はがらりと雰囲気を変え、ギターの旋律と共に、彼の歌声が耳に入ってきた。
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