カルマノオト
あのキスはただのライブパフォーマンス。


そう割り切りたいのに、過去の想いが邪魔をしてどうしても割り切れない。




彼はもうステージの上。


なのに触れ合ったのこの唇は、今でもまだしっかりと熱を帯びたままだ。




八つの歳の差。


これは一向に縮まらないもの。




今の私は二十四歳。


彼はもう、三十二歳になっているはずだ。




あの頃の私には、八つ年上の彼がとても大人に見えた。


だけど、お互いが大人になった今は、同じ歳の差なのにそう違いを感じない。
< 48 / 100 >

この作品をシェア

pagetop