カルマノオト
一冊の古びたピンク色のノートに目が留まった。




当時流行っていて真似した変形文字。


表紙に貼られたカラフルなステッカーは、掠れてやや色落ちしてはいるものの形は綺麗に残っている。




整理の手を止めおもむろにそのノートを開く。




最初のページ目に描かれているのは、眼鏡を掛けた一人の男性の横顔。


面長で鼻が高く、やや日本人離れした彫りの深い顔立ち。




シャープペンシルで描き込まれたその面影はとても懐かしく、同時に私の胸をきゅっと締め付けた。




「懐かしいな……。」
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