カルマノオト
夢へと向かう道標。


何度も繰り返し与えられ、都度その形を変えようとも、少しずつこの意識の中に浸透していったこの言葉の趣旨。




自分の意志なんてない。


そんな腐った私に、彼はしっかりと夢を描く事を教えてくれた。




だけど、もしこの言葉を発したのが彼じゃなかったら……?




「ねぇ、MOTOさんの声ってすごく耳に残るよね。」




奏美の言葉に深く同意する。


柔らかく繊細な声色なのに、この声はとても力強く印象的。




激しいビートに乗るシャウトも、滑らかなメロディーに乗る優しい歌声も。


どんな言葉を発しても、彼の声はすんなりとこの心に溶け込まれていく。
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