眼鏡とハンバーグと指環と制服と
バレないように必死だっていうのに。
ほんと、変なこといわないで欲しい。

「……安藤。
そろそろいい加減にしないと、怒るぞ?」

それまで静かに文庫本を開いてた亜紀ちゃんだけど。
本を閉じると、安藤くんを睨んだ。

「げっ。
保護者が怒った」

「ったく。
誰か保護者だ」

「亜紀ちゃんありがとー。
助かったー」

ほっとして笑ってみたら、亜紀ちゃんは笑って私のあたまを撫でた。

……前から思ってたんだけど。
亜紀ちゃんって私のあたま、よく撫でるよね?
たぶんなつにぃの次くらい。

「夕葵はほんとに可愛いな」

「え?あ?え?」

亜紀ちゃんは私の首に手を回してホールドすると、そのまま撫で続ける。

「しっかし、月原も大概七尾に対して過保護だけど。
近藤も大概だよな」
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