眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「まあ、お金のことは、あとから考えよ?
ゆずちゃんひとりくらい、僕のお給料でどうにかなるよ」

なつにぃはまた、ふふって笑ってる。
脳天気な笑顔。
私は何度も、この笑顔に救われてきた。
今回もこの笑顔に救われるんだなー。

その後。
なつにぃといろいろ話し合った。

高校はできるだけ、ギリギリまで通う。
私もバイトをする。
基本、うちの学校はバイト禁止だけど、事情が事情だからなんとか許可が取れ
ないか、なつにぃが頑張ってくれるって。

住むとこは仕方ないから、なつにぃの家に居候。
もちろん、学校には内緒。

なつにぃは
「持ち家だし、ローンとかもないから、遺産がなくても結構やっていけると思
うよー」
って、やっぱりふふって笑ってた。


金曜日。
明日は弁護士さんに返事をする日。

もう家は明け渡せるように片付けすませて、ひとりで運べるものはなつにぃの
家に運んでた。

取っときたい家具とか、ひとりで運べないものは、明日、亜紀ちゃんのお兄ち
ゃんたちがきてくれて、運んでくれる予定。
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