眼鏡とハンバーグと指環と制服と
なつにぃの家に住むのは基本秘密だけど、いざというとき他に頼るとこがない
と困るので、亜紀ちゃんと香織ちゃんには話してる。

特に亜紀ちゃんは生まれたときから親友で、おじさんもおばさんも私のこと可
愛ってくれてたから、今回のことも理解してくれて、手助けできるところはし
てくれるって、約束してくれた。


晩ごはんの準備をして、なつにぃの帰りを待つ。

もう、なつにぃの家でごはんを食べてもいいのだけれど、自分の家で過ごせる
最後の日だから、ってわがままいった。

宿題して、一息ついて時計をみて。
テレビを見ながら時計をちらり。
トイレに立ったときにも、時計を見た。

いつもならとっくに帰ってきてる時間なのに、なつにぃは帰ってこない。

どんどん、どんどん、不安になっていく。
不安な気持ちをぶつけるように、何度も何度も、メッセージを送る。
でも、何度送っても返事がないどころか、既読にすら、ならない。

……もしかして、どっかで事故に遭った、とか?
それとも具合が悪くなって倒れた、とか?

不安で不安で、いつもは絶対、仕事中にはかけない携帯にかけてた。
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