眼鏡とハンバーグと指環と制服と
黙ってしまった私を、ふたりは楽しそうにニヤニヤ笑ってみてた。


熱がひいてから、三人で朝ごはんを食べた。
でもやっぱり、食べながらからかわれ続ける。
終わって解散、ってことになったんだけど、休み明けにデートのことは報告し
なさいね、ってやっぱりニヤニヤ笑いながらふたりは帰っていった。


ふたりが帰ってから、ケーキを焼いた。
今回はロールケーキにして、ブッシュドノエルを目指してみた。

……見た目はそれっぽくなったからいいとしよう。

あとは唐揚げの準備と、パスタとピザ？
ちょっと調べてみたら、発酵させないでできるやり方があったので、ピザも手
作りしてみることにした。

ご馳走作って待ってたら、夏生、喜んでくれるかな？


「ただいまー」

「おかえりー」

冬休み中だけあって、夏生の帰りはいつもより早い。
七時前には帰ってきた。

テーブルの上を見ると、眼鏡の奥の目が、細くなった。

……あきらかに喜んでくれてる。
< 186 / 613 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop