眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「着替えてくるね!」

階段を上がってく軽い音を聞きながら、プレゼントの確認。

誕生日プレゼントがマフラーだったから、クリスマスプレゼントは手袋だ。
毎年の決まり、みたいな感じ。

着替えて戻ってきた夏生と、一日遅れのクリスマス。

プレゼントを渡すと、いつもと同じ物なのに、夏生は喜んでくれた。
これが一番いいんだって。

私が夏生からもらったのは、何故か分厚く重い包み。
開けてみると……。

「……夏生。
これって、嫌み?」

「期末テストは平均点、クリアしたし。
成績はまあまあ上がったけど。
それでも、ね」

包みの中身は、大量の問題集だった。

「そろそろ少しずつ、勉強始めててもいいと思うんだ。
それでなくてもゆずちゃん、勉強する時間少ないでしょ?
余裕はあった方がいいし」

「……うん」

< 187 / 613 >

この作品をシェア

pagetop