眼鏡とハンバーグと指環と制服と
でも、私たちみたいに、あきらかに年の差の大きそうな人たちはいない。
もし、指環をしてなかったら、私たちはどんなふうに見えるんだろ?
指環をしてても、やっぱり夫婦に見られてるか不安だし。

……ああでも。
博物館で一応おばちゃんに、夫婦に見られてたし、大丈夫かな?

そのうち順番が回ってきて、中に入った。

夏生はメニューの写真で、生クリームがてんこ盛りになってるのを見て、驚い
てた。
でも、なんだかんだいいながら、ふたりともおいしく完食。

夏生は意外でもなんでもないけど、甘いものが大好きだ。


帰りは、夜景がきれいなところに連れて行ってくれた。

街の灯りが、きらきらして見えて凄くきれい。

ちょっと風が冷たかったけど、夏生が後ろから抱きしめてくれたので、あたた
かかった。

……けど。
夏生の吐息に、密着している体温に、ドキドキして、反対に熱くなった。

背中から、夏生の早い鼓動を感じる気がするのは、気のせいなのかな?

なにもいえなくてただ黙ってた。
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