眼鏡とハンバーグと指環と制服と
このまま時間が止まっちゃえばいい、って思ってた。

「……夕葵。
愛してるよ」

他に誰もいない高台で、今年初めてのキスをした。
とっても倖せで、今年は何回、キスができるのかな?とか思ってた。


「おやすみ、ゆずちゃん」

「おやすみ、夏生」

家に帰って、満ち足りた気持ちで眠りに落ちていく。

このときは凄く倖せで……まさか、今年が波乱に満ちたものになるなんて、思
ってもいなかった。
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