眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「僕だって、久しぶりにゆずちゃんとふたりで出かけられて、嬉しかったし。
嫌な思い出にするのは嫌だよ」

「うん。
あのね、亜紀ちゃんがね、今回はたまたま運が悪かったんだって、気にするな
って。
これから気をつけたらいいんだ、って」

「そうだね。
もっともっと気をつけないとね」

「それにね?
指環、左手にしてたのに、それは気付かれてなかったでしょ?
日頃のおこないがいいから、神様見逃してくれたんだよ」

「……誰のおこないがいいの?」

夏生が不思議そうに首をこてんと倒した。

「え、あ、」

「だって僕たち、ふたりともいいとはいえないよ?」

「もう!
じゃあ、おばあちゃんが守ってくれたんだよ、きっと」

「そうだねー」

ふふっ、笑う夏生につられて私も笑う。


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