眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「あのね?
ゆずちゃんにいっこ、いっておかなきゃいけないことがあって」

「……なに?」

……まさか、クビになったとかじゃないよね?

「三ヶ月の減給だって。
家計の遣り繰り、よろしくね?」

「……なんだ、そんなこと。
大丈夫だよ、普段だって節約するように心掛けてるもん」

「そんなことって、一応懲戒処分なんだからね。
大変なんだよ」

「だって、夏生が先生辞めなきゃいけないわけじゃないもん。
なら、平気」

「ゆずちゃん……」

……そっと、夏生の唇が、私のおでこにふれた。

「……こんなの見られたら、今度こそアウトだね」

「カーテン、なるべく閉めてた方がいいかな」

ゆっくり、ゆっくりと夏生が私のあたまを撫でる。
もう大丈夫、そう思ったはずだったのに、何故か涙が溢れてくる。

「……泣いても、いい?」
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