眼鏡とハンバーグと指環と制服と
過保護で、独占欲が強くて、嫉妬深くて。
いざというときは決断力があるんだけど、普段は優柔不断。
人のことは口が堅いのに、自分のことだとゆるゆるふわふわ。

……なんかこんなふうに並べると、どこがいいのかわからなくなってくる。

でも、好きなんだよなー、やっぱり。

ちゃんと私のこと、一番に考えてくれるし。
大事にもしてくれる。
あのゆるーい笑顔には何度も救われたし、大好きだ。
私が迷ってると、そっと背中を押してくれる。
傍にいて、泣くのが下手な私を抱きしめてくれる。

困ったことも多いけど、夏生が好き。
愛してる。

「ただいま……」

「おかえりー、……って、どうしたの?」

帰ってきた夏生は何故か、うなだれて涙目になってた。

「さっき、勇から電話かかってきて、がっつり怒られた……」

……ああ。
やっぱり亜紀ちゃん、報告したのかなー?

仕方なく、ソファーに誘導して隣に座り、よしよしとあたまを撫でる。
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