眼鏡とハンバーグと指環と制服と
第十三章このときは誰も知らなかった
もう来週は修学旅行。

というわけで、週末お買い物に行くことになった。

……亜紀ちゃんと香織ちゃんと。

夏生はついて行きたそうな顔をしてたけど、却下。
このあいだのこともあるし、気をつけないとね。

歳にぃが暇してるので、車を出してくれるって。


……えっと。

歳にぃが送り迎えをしてくれて、私たちが買い物してるあいだ、映画なんか見
て時間を潰すって話だったと思うんだけど。

思うんだけど。

なんでこの人、助手席にちゃっかり座ってるんだろ?

「えー?
僕は歳と一緒に買い物するんだよー。
僕だって修学旅行、行くんだし。
買うものだってあるよー」

ゆるーくふふって笑ってますが。
私たちと一緒に行く必要ないよね?

「ガソリン代もったいないから、便乗するんだよー。
それに、歳とは友達?だし、中で別行動だから問題ないよ」

「……いや、俺、夏さんと友達じゃないし」
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